がん増殖抑制の遺伝子を確認、治療法・新薬に道

テロメラーゼを抑える遺伝子


がん細胞増殖の原因となっている酵素「テロメラーゼ」の生成を、人の5番染色体にある遺伝子が抑えることを、鳥取大の久郷(くごう)裕之准教授(生命科学)のグループが確認した。


様々ながんに有効な治療法や新薬の開発につながる可能性がある。成果は米科学誌「モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー」電子版に掲載された。


正常な細胞は分裂を繰り返すたびに、染色体を保護する部分(テロメア)が老化し、死滅する。しかし、大半のがん細胞では、テロメアの老化を防ぐテロメラーゼが生成されるため、細胞が増殖を続けてしまう。


久郷准教授らは2000年から、マウスと人の皮膚がん細胞を使い、テロメラーゼの生成を抑える物質を探した。がん細胞に5番染色体を入れると、テロメラーゼの生成が抑制されたことがきっかけになり、この染色体にある遺伝子「PITX1」が、テロメラーゼを作る遺伝子の活動を阻害していることを突き止めた。
[2011/02/12 読売新聞]