がん細胞の足場非依存性増殖

ガン細胞は“足場”がなくても増殖できる!


ガン細胞と正常細胞の大きな違いの一つに「足場非依存性増殖(anchorage-independent growth) 」があります。私たち人間のほぼすべての細胞が、増殖する際には「足場」を必要とします。足場とは、専門用語では「細胞外マトリックス」「細胞間マトリックス」「細胞外基質」などを指します。細胞と細胞の間を埋める物質で、接着剤的役割を務めます。コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチンやラミニンといった糖タンパク質などが主な成分です。

 

正常な細胞は細胞同士や細胞外マトリックスとの「細胞接着」状態で安定して存在できます。そしてその接着した“足場”を文字通り足がかりにして細胞増殖(コピー)をすることが可能になります。足場の別の役割には細胞増殖に関わる物質が保持されていまあす。

 

ところが、ガン細胞は増殖に際して足場を必要としません。イメージとして浮いたような宙ぶらりん状態でも平気で増殖できます。「おいらには一人で増える能力があるから、あんたらの手助けは要らねえよ」といった感じです。この能力が「足場非依存性増殖」です。足場非依存性増殖のメカニズムは、ガンの浸潤や転移に関係するとみられ研究が重ねられています。

 

正常細胞は足場を除かれると、細胞周期のG1期に停止し自然死(アポトーシス)に至ります。従って、ガン細胞が持つ足場非依存性増殖能力を失わせてしまえば、正常細胞と同じように増殖が止まりアポトーシスする可能性があるのです。すでにいくつかの足場非依存性増殖に関与する遺伝子が発見されています。これらの遺伝子に着目し、足場非依存性増殖に関与する遺伝子を操作する治療の開発が研究されています。

当サイトで紹介している
CDC6shRNA治療のターゲットとなっている遺伝子CDC6は足場非依存性増殖に関与しています。CDC6ノックダウン(消去)によって、ガン細胞の足場非依存性増殖能力を失わせることも当治療のガン増殖抑制作用の一つと考えられています。

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