肺がんリスクを高める遺伝子変異を同定

喫煙者の肺がんリスクを高める二つの遺伝子変異


喫煙者の肺がんリスクを高める2つの遺伝子変異が、カナダの新しい研究で同定された。この変異体を有する喫煙者では、喫煙量が多く、たばこへの依存度がより高い傾向が見られたという。


カナダ、中毒・メンタルヘルスAddiction and Mental Healthセンター(トロント)のRachel Tyndale氏らは、肺がんを有する現・元喫煙者417人、がんのない現・元喫煙者443人について検討した。その結果、ニコチン代謝遺伝子(CYP2A6)およびニコチン遺伝子クラスター(CHRNA5-A3-B3)の変異が認められた喫煙者は、肺がんを有する可能性、ニコチンへの依存度がそれぞれ高く、ヘビースモーカーである可能性も高かった。両方の変異体を有する人における肺がんリスク増大は、1日20本以下の軽度喫煙者で最も顕著であった。


Tyndale氏は「ヘビースモーカーでは他の健康障害も同様、肺がんの全リスクが増大するが、今回の研究では特に、がんリスクに対するこれら2遺伝子の影響を検討した。これら2つの遺伝子の遺伝的リスクは、より軽度の喫煙者においてより大きな役割を果たしていた。ニコチン代謝遺伝子は1日の喫煙量に、ニコチン遺伝子クラスターは肺がんリスクにより大きな影響を及ぼす。両方の高リスク遺伝子変異の複合効果により、肺がん発症オッズは2倍以上になった」と述べている。


 同氏らは、多くの喫煙者が以前に比べて喫煙量を減らす傾向にあるため、今回の知見は重要であるとしている。研究結果は、米国立がん研究所(NCI)誌「Journal of the National Cancer Institute」9月号に掲載された。
[2011/8/18日経電子版HealthDay]